小字は歴史の証言者

大字小字とがありますが、大字とは明治期の合併によって消滅した江戸期よりの村々の名、区画をそのまま新自治体が引き継いだものです。

一方、小字とはその村々のなかの細かい集落や耕地を指す名称です。

小字とは、当時の農民が通称していた地区名が起源であったりもしますので、小字の名前の中にその地の歴史が垣間見えるということがあります。

例えば、古城址の周辺には「本陣」「殿屋敷」「府殿」などといった小字があり、その時代の絵図が浮かんできそうです。

また、当時の信仰の中心であった神社の位置関係から「宮前」「宮下」「宮上」といった小字名もあります。

日本人の苗字の8〜9割は地名からきているとも言われています。ちょっとマイナーで、一部の地域に偏在しているような苗字の場合、同名の小字を見つけることで、その一族の発祥地が推測出来ることもあります。

残念ながら小字は日本各地で住居表示などによって消えていっていますが、地域の古老の話や公共施設の名前などにその痕跡があったりします。

また、図書館にも旧小字名について記録された書籍もあります。
ちなみに、私の住む福岡県の場合は「福岡県史資料」(全12巻)に県内の小字名が記録されています。