過去帳の調査

よく家系図の調べ方について書かれた本などをみると、「お寺で過去帳を見せてもらいましょう!」・・・などと、気軽に書かれていることがあります。

しかし、人権問題や個人情報に関わることから、本部から過去帳閲覧に応じないように指示が出されている宗派もあり、最近ではお寺さん自体が見せることを拒否されるケースが増えてきています。いくら直系の親族であっても、同じ過去帳に他家の情報も一緒に記録されていますので問題になるのです。

有力な檀家さんでも断られることがありますので、めったに顔を出さないような方が突然訪ねて依頼された場合などは、より難しいものと思われます。

ただ、ご住職の人柄や考え方にもよりますので、思った以上にあっさり閲覧に応じて頂ける場合も珍しいことではありません。

万全を期すためには、ただ突然訪ねていくのではなく、お手紙等でご先祖を調べているのだという旨を事前にお知らせしてから訪ねてみた方がよいと思います。

また、訪問する前に除籍謄本や墓碑、その他の方法で調べたところまでを自分なりにまとめたものを持って行った方が、真剣さや熱意を理解して頂けるものです。

過去帳には、戒名(法名)・没年・俗名が書かれていますし、享年も載っている場合も多いです。没年と享年が分かれば、逆算して出生年も分かります。

その他の記載内容については、その当時のご住職の性格にもよりますので、同じ寺院の過去帳であっても、さらに詳しい情報を書かれていることもあれば、最小限のことしか書いていないこともあります。

戒名(法名)と没年だけで、続柄や享年どころか、18世紀前半以前になると俗名すら書かれていないこともあります。また、女性の場合、「〇〇母」とか「〇〇女房」など、当時の当主との続柄しか書かれていないことも少なくなく、せっかく過去帳を閲覧させて頂くことが出来ても、これだけでは決め手に欠けることもあります。

また、過去帳というのは、家々毎に書かれて綴られているのではなく、そのお寺の檀家全部の情報が載せられているものです。

さらに、多くの場合、没年毎に記録されたものではなく、亡くなった日毎に記録されているものです。そのため、たとえば天保3年4月1日に亡くなった佐藤太郎さんと、平成10年4月1日に亡くなった田中次郎さんが同じグループに入れられていることになります。(もちろん年代順に書かれている寺院もありますし、家毎にまとめておられる寺院もあります。)

さらに厄介なことに、江戸期の農工商には苗字がありませんから、下の名前だけしか書かれておらず、膨大な記録の中から自分のご先祖だけを探し出すというのは、非常に困難な作業となります。

このため、過去帳を閲覧させて頂く前に、除籍謄本や位牌・墓石などの調査を予め調べておくことをお勧めします。それらの情報と総合して判断することにより、過去帳だけでは分かり辛い部分も明らかにすることが出来ます。