宗門改帳など

分限帳は、確かに家系図を作るのに最も貴重な情報源のひとつなのですが、残念ながら少数派である武士の家のみに有効なものです。(一部商人や大工・村役などの記録もあったりしますが)

以下、人口の圧倒的多数を占める農・工・商の家にも有益な情報源となりうる古文書類をご紹介します。

まずは「宗門改帳」です。宗門改帳は、宗旨人別改帳・本百姓宗門改帳・切支丹宗門人別改帳などと、地方によって呼び方もいろいろ変わります。人馬牛改帳のように牛や馬の所有状況を記録されているものもあります。

当初は切支丹摘発を目的として作成されたものですが、次第に行政資料的な性格のものになってきました。

改帳は、村・町・組ごとの庄屋・町年寄・名主などによって作成され、地域内の宗派、寺院名の下に家族単位で名前と年齢や続柄が記入されていました。現代の戸籍のようなものですね。
下に、府内藩(現在の大分市周辺)の「切支丹宗門人別御改家内帳」(明治3年)の見本を載せてみます。

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これには、真宗(浄土真宗)安養寺の檀徒である家族が記録されています。
戸主が甚右衛門で、妻・娘・母・祖父の5人暮しであることが分かります。残念ながら、妻や母は名前が書かれていません。また、写真には載りませんでしたが、名前の下には年齢も載っていますので、大体の生年も判明するのです。

このような宗門改帳の作成は、最初は寺院の僧侶が行っていましたが、18世紀頃からは庄屋等の村役人が作成するようになりました。
徐々にキリシタンに対する脅威が薄れるようになると、形式的な調査になってきましたが、人別帳は毎年作られ、作高や家畜数も記される地域もあり、現代の戸籍のような役割を果たしていました。

ただ、どの地域でも残っているものではなく、むしろ残されている方が少ないものですので、県立図書館や教育委員会等で確かめて見て下さい。
また、地元の庄屋だった家がお持ちの場合もあります。
もし自分のご先祖の地域で見つかれば、非常に重要な情報源になります。